相続人を確定させる重要性
お金を持つ手

相続が起こったとき厄介なことに、相続人の確定が難しい場合があります。
民法の規定には相続人となるべき人がどのような係累にあたるのか、はっきりと規定されています。
しかし、亡くなった方が幼い頃に養子に出されていたり、結婚と離婚を繰り返していたような場合には、誰がどのような法定持分を有するのかを確定させるためには、専門家の助けが必要です。
このような相談を受けたとき、弁護士は職務上の特権で、戸籍を直接市区町村から取り寄せることができます。
もちろん依頼を受けた上でのお話ですが、この戸籍を正確に読み解くことが、まずは必要になります。
最近の戸籍はコンピューター化が進んでいますが、場合によっては明治時代や大正時代の戸籍に遡る場合もあります。
そしてこの時代の戸籍は手書きされたものをマイクロフィルムに保存しているため、謄本を見ても文字の判別が困難な場合もよくあります。
また、亡くなった方の親兄弟をたどらなければならない場合には、結果的に100人にも及ぶ巨大な「関係図」を作成することになる場合もあるのです。

「関係図」が完成したら

めでたく相続人が確定したとしても、亡くなった方が遺言書を残していなかった場合には、その財産を分配するために、全員が遺産分割協議に参加する必要があります。
全員が普段から行き来のある親類ばかりであったとしても、こと財産が絡むと中々円満に話し合うことができないものです。
まして生まれて一度もあったことのない義理の兄弟姉妹であったり、その存在すら知らなかった隠し子がいるとなれば、弁護士のアドバイスがどうしても必要です。
というのは、下手に知らない弁護士から突然無味乾燥事務的な書類が送られてくるよりは、知らなくとも血縁者なのだという事情を説明した手紙を受け取った方が、後の遺産分割協議の内容を詰める上で有効な場合もあるなど、やはり専門家である分様々な経験を持っているからです。
出だしで間違えると、最後までそれが尾を引きます。
いつまでも遺産分割協議ができずに一人また一人、と「関係図」が更に枝分かれをしていよいよ頭数が増えていく、という事態はなんとしても避けたいものです。
そしてこのような相談に対していかにスマートに対処できるか、が弁護士の腕の見せ所でもあるのです。